日台大学が地域連携と社会実践連盟を立ち上げ 歴史的瞬間を迎える国際調印式

2021-12-02 著者 / 台湾教育部USR推進センター/ 科技部人社実践計画事務局
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台湾と日本とは、歴史上深く関わっており、地政学的にも運命を共にする関係にあり、経済、貿易、学術、文化など、様々な面において密接に交流を行なってきた。台日間には、一衣帯水の親近感、そして災害時に助け合うという仲間意識が常にあるように思われる。特に、台湾でも日本でも、高齢化、少子化、地方過疎化、都市部と農村部の開発格差など、類似した社会問題に直面しており、また、どちらでも、大学の資源を利用することでそれらの問題の緩和を図っている。しかしその同時に、台湾や日本の大学も、地域のコンテクストにおいての問題識別能力、及び地域での連携こそ、根本的な解決策だと気づいている。

台湾では、教育部と科技部が、それぞれ「大学の社会的責任実践(University Social Responsibility USR)計画(以下では USR 計画と呼ぶ)」と「人文創新と社会実践計画(以下では人社実践計画と呼ぶ)」を起動した。教育部 USR計画は、社会に貢献できる人材の育成に焦点を当てており、大学が理論的かつ実践的なカリキュラムを構築し、専門知識と創造性を駆使して地域に活用するように学生を導く。それによって、地域に深く根付き、人間的、環境的、社会的、経済的側面に貢献し、地域ならではの価値を生み出すことのできる若者を育てる。また、大学には国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿って発展し、国際とのつながりと協力を強化するように推進する。科技部人社実践計画とは、大学が学内の分野横断の学術研究チームを結成するための助成を行うもので、重要な社会問題をめぐって、市民団体の実践活動と連携し、従来の問題解決モデルに囚われない新たな改革法を探る。そして、実践の過程で、地元に関する知識や理論を探求、蓄積し、国際経験と学術的に対話を行い、理論的研究と社会的実践を織り込んだ、多様的な学術の新しい手本を生み出す科技部人社実践計画でも、新しい知識パラダイムを備えた約50名の研究人材を育成し、そのうちの約3分の1の人が様々な分野にそのまま残って、長期に渡って研究を続け、地域のシンクタンクの学術的エネルギーとなり、社会的関心に基づいた行動や研究を続ける中で、台湾独自の理論観点を発展させていく。

日台大学連盟誕生 USR国際協力・交流のプラットフォームに

近年、台湾や日本の大学では、教育と研究に実践的活動を取り入れることで、地域の課題と向き合ってきて、いま実り豊かな成果を上げている。それらの成果をさらに発展させ、社会に根付かせるためには、組織的な基盤を構築することが極めて重要である。 そのために「日台大学地域連携と社会実践連盟(以下では日台大学連盟)」が誕生した。教育部「大学の社会的責任推進センター」(以下ではUSR推進センターと呼ぶ)と科技部人社実践計画弁公室は、2019年に「日台大学連盟準備室」を共同で設立し、日台間の多対多の大学交流ネットワークを構築し、学内外の資源をエネルギーに変えて、大学と地域と連携した事業を動かし、日台協力のもとで社会実践や地方創生関連の取り組みにも参入する。日台大学連盟準備室によると、当連盟の設立は、台湾の高等教育組織と世界との友好関係を樹立し、学術、教育、社会的実践の交流のための多角的なプラットフォームを構築し、既存の学術、教育、産業の連携の成果をもって、将来、社会的実践を行っている他のアジアの大学との連携の基礎を固めることを目的としている。日台大学連盟の目標は以下の通りである。1.学術研究及び高等教育における日台双方の実践的協力の促進、2.社会的実践の分野における大学の国際的関与と露出の強化、3.国内大学がUSR計画における国際連携活動への参加のサポート

そこで、日台大学連盟準備室は、台湾からは国立暨南国際大学、国立成功大学、国立高雄科技大学、国立中山大学、国立台湾海洋大学、東海大学の6校、日本からは高知大学、千葉大学、龍谷大学、信州大学の4校をコアメンバーとして集結させた(日台それぞれの連盟代表大学を最初に挙げ、その他はアルファベット順)。 2019年以降、連盟草案を練るために定期的に開催される11の準備会議に加えて、教育部USR推進センターは、カリキュラムにちなんだテーマについて、5つのフォーラムとワークショップを開催し、来場者とオンライン参加者を含めると、1000人以上の参加となった。科技部人社実践計画は、学術研究成果の国際交流を目的としており、ソーシャルデザイン、地元の高齢者支援、原住民、連帯経済、環境持続性、文化芸術、地方創生政策分析、研究方法論など、幅広いテーマのフォーラムや国際シンポジウムを計5回開催し、600人以上が参加している。コロナ禍の中でも、日台双方の熱意は冷めることがない。各メンバー大学は、少子化、地域間格差、防災と復興、高齢化社会、コロナ禍など、重要な社会問題や進歩の障壁について、アイデアや解決策を交換し続けまてきた。

日台大学が契約を結び、連盟を立ち上げる 社会実践における新たな一歩を踏み出す

USR推進センターによると、今年には日台大学連盟のオフィシャルサイトを開設し、ニュースレターの発行を始めた。大学間の定期連絡、学術・実務の交流、経験の共有と協力を促進し、コアメンバー大学間の実質上の互恵関係を加速させ、社会的実践における国際的な影響力を拡大させることが期待される。

日台大学連盟結成から3年目を迎え、いよいよ多くの大学が待ち望んでいた「日台大学連盟国際調印式」が11月16日、交通部会議センター国際会議ホールにて執り行われる。調印式には、台湾と日本の10大学の学長が参加する予定である。 日本の大学は、コロナの影響で直接台湾に来ることができないため、日本の4大学の学長がオンラインで出席し、契約を締結する。今回は、教育部潘文忠部長、科技部林敏聰次長、日本台湾交流協会谷崎泰明理事長、台湾日本関係協会邱義仁会長などの貴賓を迎える。当日は映像通信を駆使し、台湾側は対面式、日本側はオンライン参加で調印式を行い、日台連盟両国のコアメンバー大学の10大学が集まり、連盟の覚書を交わし、日台大学連盟が正式に成立する。

日台大学連盟が両国の地方創生の牽引役に ハイクオリティの国際協力が期待される

日台大学連盟は台湾と日本とで地方創生と社会実践を進めるにあたって、優れた指標性を示している。これまで、台湾と日本の大学は、個別に一対一の協力関係にあったが、日台大学連盟は、さらに多対多の実質交流を制度化したプラットフォームを確立する。今後、学術研究や人材育成における深い国際協力を行い、双方の加盟大学の組織的な調整を行い、国内外からより多くの大学に参加してもらい、学術研究、人材育成、産業連携を中心とした地域連携や社会実践の問題に取り組む大学を指導していく。メンバー大学は連盟が構築したネットワークを通して、国際姉妹校の締結を加速させ、迅速に不足を補い合い、より多く、より全面的に国際のリソースを確保できる。

日台大学連盟は、国内大学が国際の社会実践分野での対話と参加の機会を増やし、台湾の高等教育の国際的影響力を高めるために、連盟の制度化を推進していく。 これにより、両国の大学機関の協力のために、より広範で多様な接触・交流のプラットフォームを提供するだけでなく、台湾が国際地域とのつながりや社会実践の推進のための大学間交流、学術交流、学生交流の道を開くこともできる。日台大学連盟の運営を通じて、我が国の地方創生や社会実践の分野での国際学術協力を展開するだけでなく、我が国の大学とより幅広い国際学術組織や国際的開発目標との間のより深い対話を可能性にし、加盟大学が社会実践や人材育成の経験を内外に拡大し、質の高い国際高等教育協力を確立することにも貢献する。

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