地方參與的能源轉型:從臺日交流到雙向轉譯的嘗試
臺日聯盟自2021年啟動交流以來,日本龍谷大學一直是重要的合作夥伴,相關交流成果亦多次刊載於本刊。成功大學自2025年執行第六期人文創新與社會實踐計畫後,因七股場域所面對的光電開發、產業共生與地景變遷等議題,與龍谷大學長期在地推動再生能源社會企業的經驗具有高度關聯,雙方自今年1月起展開多次互訪與對話。
2021年に台日連盟の交流がスタートして以来、龍谷大学は一貫して重要な協力パートナーであり、相互交流の成果はたびたび本誌に掲載されている。成功大学が2025年に第6期「人文イノベーション・社会実践プロジェクト」を開始して以降、台南の七股フィールドが直面している太陽光発電開発、産業との共生、および景観の変容といった課題は、龍谷大学が長年にわたり地域で再生可能エネルギーの社会的企業を推進してきた経験と深く関連している。こうしたことから、両校は今年の1月から数回にわたる相互訪問と対話を重ねてきた。
從臺日交流看七股能源轉型問題
在這些交流之中,最具啟發性的是龍谷大學與在地社群共同發展的再生能源社會性企業模式。此一模式並非單純以衝刺再生能源開發的量體為目標,而是透過在地參與和制度設計,使再生能源成為支持地方發展的資源。這些實踐經驗對於成大以及各校推動社會實踐計畫而言,具有重要的參考價值。然而,在肯認其啟發性的同時,也不得不面對一個問題:在基層治理結構與社會文化脈絡明顯不同的情況下,這樣的模式在臺灣應如何轉化,才能同時兼顧能源轉型的公正性與地方發展的機會?
台日交流からみる七股のエネルギー転換問題
こうした交流のなかで最も大きな示唆を与えたのは、龍谷大学が現地コミュニティとともに発展させてきた「再生可能エネルギーの社会的企業モデル」である。このモデルは、単に再生可能エネルギー開発の規模拡大のみを目標としているのではなく、地域参画と制度設計を通じて、再生可能エネルギーを地域発展を支える資源へと位置づけるものである。こうした実践経験は、成功大学および各大学が社会実践計画を推進するうえで、きわめて重要な参考価値を持つ。しかし、その示唆的な意義を認めつつも、向き合わざるを得ない課題がある。それは、地域レベルのガバナンス構造や社会文化的な文脈が明らかに異なる状況において、このようなモデルを台湾でいかにして転化(受容・変容)させるべきか、そして、転化と同時に、エネルギー転換の公正性と地域発展の機会を、いかにして同時に両立させていくのかという問いである。
地域貢獻型再生能源的日本經驗
龍谷大學自2011年承接日本科學技術振興機構(JST)社會技術研究開發中心(RISTEX)之計畫,以「培養具備地域能源政策能力的自治體」、「促進地域主導的再生能源事業」以及「建立地域貢獻型再生能源實踐模式」為核心目標,推動地方透過再生能源設施(配合躉購費率制度)成立社會企業型電廠,並將售電收益回饋於地方公共服務與社區發展,甚至進一步支撐大學與地方的「域學合作」方案。根據龍谷大學提供的資料,相關域學合作已有56所大學、約1400名學生參與,執行包括「小規模聚落再生支援」、「農業人才培育」等多項行動方案。換言之,龍谷大學所推動的社會企業型案場不單純只是營利或推動能源轉型的目標,而是兼顧地方振興或再造的目標。更進一步而言,龍谷大學的角色並不只是單純提供專業建議,而是透過教育、研究與社會性事業等多重途徑直接參與地方的再生能源社會實踐。
日本における地域貢献型再生可能エネルギーの展開
龍谷大学は2011年に独立行政法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)のプロジェクトに採択された。このプロジェクトは、「地域エネルギー政策能力を有する自治体の育成」、「地域主導の再生可能エネルギー事業の促進」、および「地域貢献型再生可能エネルギー実践モデルの構築」を核心的な目標として掲げている。地方が、固定価格買取制度に対応した再生可能エネルギー設備を通じて、社会企業型の発電所を整備し、売電収益を地方の公共サービスやコミュニティの発展に還元することを推進し、さらに、大学と地方の「域学連携」構想をサポートするものである。龍谷大学提供の資料によると、この域学連携には、すでに56の大学、約1400名の学生が参加しており、「小規模集落の再生支援」や「農業人材の育成」など、多数のアクションプランが展開されている。換言すると、龍谷大学が推進する社会企業型のプロジェクトは、単なる営利追求やエネルギー転換のみを目標とするものではなく、地域の振興や再生という目標をも見据えたものである。さらに、同大学の役割は、単に専門的な提言を行うだけではなく、教育や研究、社会的事業という重層的なアプローチを通じて、地域における再生可能エネルギーの社会的実践に直接参画していることにある。
台灣再生能源推動中的地方脫鉤
從日本經驗來看,大學至少具有三項作用。第一,大學可以協助地方理解再生能源的制度條件與技術選項,避免能源開發只由業者與行政部門主導。第二,大學可以在居民、基層自治組織與開發單位之間扮演溝通中介,降低資訊不對稱與不信任。第三,大學可以協助地方思考收益回饋與公共服務之間的連結,使再生能源不只是外來設施,而能成為支持地方發展的資源。
相較之下,台灣當前再生能源的推動模式,多由能源業者主導,透過尋地、租地與設廠完成開發,而大部分售電收益並未留在地方,而是外流到能源業者手中。以台南七股為例,除少數地主之外,多數人難以實質感受到再生能源所帶來的效益;在地居民直接感受到的,更多是地景變化與環境變化的疑慮。當能源轉型以這樣的方式進入地方,居民所經驗不是各種條件的改善,而是一種與地方生活脫鉤的發展經驗,進而累積為不信任與反彈。
台湾の再生可能エネルギー推進にみられる地域との乖離
日本の経験からみると、大学には少なくとも以下の3点の役割がある。第一に、地域社会が再生可能エネルギーを巡る制度的条件や技術的選択肢を理解できるよう支援し、エネルギー開発が事業者と行政のみにより主導される事態を回避することである。第二に、住民、地域の自治組織と開発事業者との間におけるコミュニケーションの仲介役を担い、情報の非対称性や不信感を緩和することである。そして、第三に、売電収益の還元と公共サービスとの連関について地域が主体的に思考することを手助けし、再生可能エネルギー設備を単なる「外部から持ち込まれたインフラ」に留まらせることなく、地域発展を支える資源となるようにすることである。
これに対して、台湾における現在の再生可能エネルギーの推進モデルは、その多くがエネルギー関連事業者による主導であり、用地の確保、発電施設の建設を経て開発が推進される。しかし、ほとんどの売電収益は地域に留まることなく、事業者側へと流出していくのが現状である。台南の七股を例に挙げると、少数の地主を除き、多くの住民は再生可能エネルギーがもたらす恩恵を実感できていない。むしろ、地域住民が直接感じているのは、景観の変貌や環境変化に対する懸念である。エネルギー転換がこうした形で地域に持ち込まれた場合、住民が経験するのは生活の改善などではなく、地域の暮らしと乖離した開発にほかならない。そして、それが蓄積して不信感や反発を招くこととなる。
基層治理與溝通中介的落差
此外,龍谷大學所推動的部分光電案場,在社會溝通層面上也呈現值得關注的差異。設置於洲本地區的兩處浮動式光電案場——塔下新池與三木田大池——雖皆位於與居民日常生活密切相關的水域,卻未引發顯著的社會衝突。前者規模較小(裝置容量約72.8KW,光電板面積約0.1公頃,水塘面積約0.3公頃),主要透過與十餘位在地居民的直接溝通取得共識;後者規模較大(裝置容量約1,706KW,光電板面積約1.8公頃,水塘面積約4.8公頃),則是透過拜訪基層自治組織與整體規劃說明,逐步取得地方同意並推動執行。社會溝通之所以得以進行,有一個在台灣往往被忽視的前提:日本的基層自治組織仍具備實質的代表性與協調功能,足以作為開發單位與居民之間的溝通中介。
這樣的經驗凸顯出,能源轉型所面對的問題,不僅在於技術或商業模式,也深刻牽涉到基層治理與社會溝通機制。在台灣,除了商業導向、利益外流所引發的結構性不信任之外,基層自治組織因長期財政弱化及縣市合併而功能受限,使得地方意見難以被有效表達。筆者過往在其他鄉鎮觀察到,當地方發展日益依賴縣市政府整體規劃以爭取中央資源時,基層民意機關也逐漸失去反映多元意見的能力,導致地方的不同意見無法在制度內被聆聽和處理,而只能以抗爭的形式爆發。
台南七股的情況更為特殊,縣市合併之後,在缺乏具實質功能的基層民意機制下,社會溝通往往更難以展開。即使中央政策制度提供開發依據,也不意味著業者只要取得地主同意,即充分具備光電設置的社會正當性。當基層治理能力不足,民意無法充分與能源業者平等對話,能源轉型反而可能成為不信任擴大的觸發點,而非促進地方發展的契機。
我們都認同能源轉型過程中的社會溝通很重要,但是怎麼溝通、跟誰溝通,一直都是個難以處理的問題。當專業知識與科學證據被用來處理充滿不確定性與風險的議題時,若缺乏適當的轉換與對話,專業本身反而可能成為另一種單向的輾壓。
地域レベルのガバナンスとコミュニケーションの仲介にみられるギャップ
このほか、龍谷大学が推進する一部の太陽光発電プロジェクトでは、社会的合意形成のあり方という点においても注目すべき違いが見られる。兵庫県洲本市に設置された2カ所の水上設置型ため池太陽光発電所(塔下新池と三木田大池)は、いずれも住民の日常生活圏と密接にかかわる水域に位置しているが、顕著な社会的対立を引き起こしていない。前者は比較的小規模(設置規模約72.8kW、パネル面積約0.1ha、ため池面積約0.3ha)であり、主に10数名の地域住民との直接的な意思疎通を通じて合意が形成されている。後者は大規模(設備容量約1,706kW、パネル面積約1.8ha、ため池面積約4.8ha)であるため、地域の自治組織に対しては、個別訪問や全体計画の説明会を通じて、段階的に地域の同意を取りながら事業を推進した。こうした社会的コミュニケーションが可能だった背景には、台湾では見過ごされがちな前提が存在する。すなわち、日本の地域の自治組織は、現在でも実質的な代表性と調整機能を有しており、開発事業者と住民との間の対話を仲介する役割を果たしているという点である。
こうした経験が浮き彫りにするのは、エネルギー転換が直面する課題が、単に技術やビジネスモデルにおいてのみでなく、地域レベルのガバナンスや社会的コミュニケーションのメカニズムと深くかかわっているということである。台湾では、商業至上主義や利益の域外流出が引き起こす構造的な不信感に加え、長年に及ぶ財政の弱体化や県市合併のあおりを受け、地域レベルの自治組織の機能が制限されており、地域の意見が効果的に反映されない状況にある。筆者が過去に他の郷や鎮で調査したところによると、地方の発展が県市政府による総合的なプロジェクトを通じて、中央政府からの資源獲得に依存するようになるにつれ、地域の民意を反映する組織も多様な意見を反映する機能を失っていく傾向が見られた。その結果、地域における異なる意見が制度内で汲み取られ処理されることはなくなり、最終的に「反対運動」という形で噴出せざるを得なくなっているのである。
台南の七股の状況はさらに特殊である。県市合併後、地域の民意を反映する実質的な機能を備えた組織が欠如する状況にあり、社会的コミュニケーションの実施がより困難になっている。たとえ中央政府の政策制度が開発の根拠を与えているとしても、地主の同意を得るだけでは、事業者が太陽光発電を設置する「社会的正当性」を十分に有するわけではない。地域レベルのガバナンス能力が不足し、住民側がエネルギー事業者と対等に対話できる基盤がない状態では、エネルギー転換は、地方の発展を促進する契機となるどころか、むしろ不信感を増幅させる引き金となってしまう。
私たちは誰もが、エネルギー転換のプロセスにおいて、社会的コミュニケーションがきわめて重要であることは理解している。しかし「どのようにコミュニケーションを図るか」「誰と対話を行うか」は、常に解決が難しい問題であり続けている。専門知識や科学的エビデンスを用いて、不確実性やリスクをともなう問題に対処しようとするとき、適切な「双方向の橋渡し」や「対話」を欠くならば、専門性そのものが、かえって地域に対する一方的な押し付けとなりかねないのである。
從專業溝通到雙向轉譯
成大水利系的王筱雯教授研究團隊曾經有一個與嘉義布袋居民溝通鹽田溼地保育,從不信任到相互協作的例子。鹽田溼地保育的目標原本是針對生態棲地的營造,但是這個目標無法在居民參與缺席的情況下達成,因為當地居民若不是從溼地引水入魚塭,就是當作洪氾季節的滯洪池。溼地的保育計畫起初並不被當地居民信任,甚至被當眾質疑只是另一個與地方無關的研究計劃。儘管如此,研究團隊從質疑的聲浪中所捕捉到的訊息是,淹水是一個居民的主要恐懼,而且居民與水利管理單位的溝通也一直存在障礙。同時研究團隊更意識到生態棲地的營造和治水其實是水位管理的一體兩面,不必然存在非此即彼的零和關係。自此,研究計畫從單純的棲地營造轉向水位調控:因應不同季節和不同需求,調高和降低溼地的水位高度。此外,研究團隊一方面透過工作坊等交流活動讓在地居民理解到自身的安全可以從水源的調控中提高確保的機會,另一方面也透過科學數據與水利管理單位溝通,何時應該引水和引入多少水才能降低水患的風險並且營造棲地。不知不覺間,研究團隊成為了居民與水利單位的橋樑。
専門的なコミュニケーションから双方向的トランスレーションへ
成功大学水利系(水利海洋工学科)王筱雯教授らの研究チームは、嘉義布袋の住民との間で塩田湿地の保全を巡る対話を重ねたことで、不信感から相互協調に到ったことがある。そもそも塩田湿地の保全は、生態的ハビタットの造成を目的としていたのだが、これは、地元住民の参画が得られない状況では達成することができないものであった。というのは、当該湿地は地元住民が養殖池(魚塭)へ水を引き込むために利用し、雨季の氾濫期には洪水調整池としても機能させており、住民の生活と密接に結びついているものだったからである。こうしたことから、当初、湿地の保全計画は地域住民の信頼を得るには至らず、住民からは「また、地域とは無関係な研究計画が始まった」と疑問視されていた。そうしたなか、研究チームはこうした疑念の声の中から、ある情報を聞き取った。それは、住民が恐れているのは浸水被害であり、住民と水利管理当局との間にはコミュニケーション不全が常に存在しているということであった。また研究チームは、生態的ハビタットの造成と治水は、実際には水位管理において表裏一体の関係にあり、決して二者択一のゼロサム関係ではないということに思い至った。ここにおいて、プロジェクトは、単なるハビタットの造成から、水位の調整・管理へと転換した。すなわち、季節の移り変わりや多様なニーズに対応して、湿地の水位を調整するというものであった。チームは、ワークショップなどの交流活動を通じて、水源の管理によって地域住民自らの安全性が確保できることを理解してもらう一方で、科学的データを用いて「いつ、どれだけの水を引き込めば、水害リスクを低減しつつ生態ハビタットを造成できるか」について水利管理当局と話し合った。こうして、図らずも研究チームは地域住民と水利当局との架け橋となっていったのである。
七股場域的行動啟示
正是在這樣的問題意識引導下,成大人創團隊在七股場域的實踐,嘗試發展一種稱為「互動型專業的雙向轉譯」的方法。所謂雙向轉譯,並非單向地將專業知識「傳遞」給地方,而是強調在地知識、在地專業與外部專業之間,必須經過持續的轉換、理解與雙向調整。一方面,在地的關切與專業能夠實質進入政策、制度與技術討論之中;另一方面,制度設計與技術可行性也需要轉化為地方可以理解與評估的選項。在這樣的過程中,能源轉型不再只是「要不要設置光電」的二元問題,而是轉化為更具體的討論:在不同養殖條件下,光電與漁業是否可能形成共存模式?能源收益如何分配,才能真正回應地方需求?哪些方案會提高風險,應該延後討論,哪些則可能提升社區或個人的調適能力?
然而,龍谷大學的經驗也提醒我們,即使是以地方振興為目標的再生能源專案,也必須取得在地正當性;若跳過這一步驟,很難保證質疑與不確定性不會進一步上升為不信任與抗爭。不過,對七股場域而言,這套模式並不一定能直接複製。直轄市改制後的區公所缺乏直接民意基礎,很難承擔類似日本基層自治組織的代表與協調功能;而由大學教職員直接成立社會性事業單位,也可能需要進一步釐清法律與責任歸屬等問題。因此,互動型專業的重要性在於,辨識那些在現行制度中被系統性忽略,卻對技術決策具有貢獻潛力的在地群體或專業,並協助其進入討論與決策過程,在地方與外部專業之間形成更有效的溝通中介。換言之,真正的關鍵不在於複製一套成功模式,而在於建立一種讓地方能夠理解、參與並形塑轉型步調的過程。當這樣的過程得以建立,能源轉型才有可能從一種外來的壓力,轉變為地方可以參與的發展契機。
七股フィールドでの実践が示唆するもの
まさにこのような問題意識のもとで、成大人創チーム(成功大学人文イノベーションチーム)は七股フィールドでの実践を通じて「対話型専門性による双方向的トランスレーション(双方向の橋渡し)」という手法を試みた。いわゆる双方向的トランスレーションとは、専門的な知識を地域へ一方的に「伝える」ことではない。在地知識や地域の専門性と外部の専門性との間で、持続的な変換、理解、そして双方向の調整を行うプロセスである。ここでは、一方において地域に根ざした知見や専門性が、政策、制度、技術に関する議論に組み込まれ、他方では、制度設計と技術的実現可能性が地域社会の理解・評価可能な選択肢へと転換される。こうしたプロセスのなかで、エネルギー転換は単に「太陽光発電の設置は必要か否か」という二項対立ではなく、より具体的な問題に転換される。すなわち、「異なる養殖条件下において、太陽光発電と漁業の共生モデルをいかに構築するか」、「地域の潜在的ニーズに応えるため、エネルギー収益をいかに分配すべきか」、「どの計画がリスクを高め、延期して議論する必要があるか」、「どのような計画がコミュニティや個人の適応能力を高めるか」といった問題である。
しかし、龍谷大学の経験は、私たちに、たとえ地域振興を掲げた再生可能エネルギープロジェクトであっても、地域における「正当性」を得ることは不可欠であるということを示唆している。これを省いてしまうと、住民の懸念や不確実性が、さらに不信感や反対運動へと発展することは避けられない。しかし、七股フィールドにおいて日本のモデルをそのまま直接導入することができるとは限らない。行政区域が改編され、直轄市に組み込まれたため七股区公所(区役所)は直接的な民意の基盤を欠くこととなり、日本における地域の自治組織が持つような代表性や調整機能を代替することは困難となった。また、大学の教職員が社会的企業(事業体)を直接立ち上げる場合は、法律と責任の帰属といった問題をより一層明確にする必要がある。したがって、ここでいう「対話型専門性」の重要性は、現行制度においてシステム上見落とされているが技術的な決定に対して貢献しうる潜在能力をもった地域のグループや専門家を識別するとともに、その議論の展開や政策決定プロセスを支援し、 地域と外部専門家との間に、より有効な対話の媒介を形成するところにある。換言すれば、真の鍵は「成功モデルの単なる模倣」ではなく、地域社会が理解・参加でき、双方の橋渡しの方向性をともに形作るような「プロセスの構築」にある。こうしたプロセスが確立されることで、エネルギー転換は外部からの圧力から、地域社会が参加できる発展の契機へと転換を遂げるのである。
致謝
感謝龍谷大學研究團隊的簡報分享:櫻井Akane(2026)。〈龍谷大學於地域貢獻型再生能源之推動〉,交流地點:楊詩弘老師研究室。台南:國立成功大學。2026年3月25日。
感謝成大七股沙盒計畫團隊成員李明翰先生分享王筱雯老師的實踐經驗。
王筱雯老師的布袋鹽田溼地保育計畫執行經驗,可參考演講:王筱雯(2024)。<以社區為本之氣候變遷調適>。網址:https://www.youtube.com/watch?v=MYAXXU1kKHE。論文可參考:Wang, HW., Dodd, A., Kuo, PH. et al. (2018). Science as a Bridge in Communicating Needs and Implementing Changes towards Wetland Conservation in Taiwan. Wetlands 38, 1223–1232. https://doi.org/10.1007/s13157-018-1096-4
謝辞
本論考の執筆にあたり、以下の皆様のご協力に深謝の意を表します。
龍谷大学研究チームの櫻井あかね氏には、2026年3月25日に国立成功大学楊詩弘先生の研究室で行われたご発表「龍谷大学の地域貢献型再生可能エネルギーの推進」を通じて、貴重な知見を共有いただきました。また、成功大学「七股沙盒(サンドボックス)プロジェクト」チームの李明翰氏には、王筱雯先生による実践活動の経験を詳細にご共有いただきました。ここに記して、心より御礼申し上げます。
なお、王筱雯先生による布袋塩田湿地保全計画の実施経験については、以下をご参照ください。
・講演:王筱雯(2024)「以社区為本之気候変遷調適(コミュニティを基盤とした気候変動対応策)」。https://www.youtube.com/watch?v=MYAXXU1kKHE。
・論文:Wang, HW., Dodd, A., Kuo, PH. et al. (2018). Science as a Bridge in Communicating Needs and Implementing Changes towards Wetland Conservation in Taiwan. Wetlands 38, 1223–1232. https://doi.org/10.1007/s13157-018-1096-4