Japan

透過生命故事訪談調查進行「地方創生」 --什麼是外來者才看得見的地方魅力?--

ライフヒストリー・インタビュー調査による「地方創生」の取り組み --よそ者だからこそ見えてくる地域の魅力とは?--
專題文章 ( 特集記事 )
學校(学校) | 高知大學新世代地區創造中心(高知大学次世代地域創造センター)、高知大學人文社會科學部(高知大学人文社会科学部) 作者(著者) | 赤池慎吾(赤池慎吾)、岩佐光廣(岩佐光広)
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前言
近來出現了愈來愈多大學與地區合作、嘗試振興觀光產業等「地方創生」的實踐案例。例如開發觀光商品、運用IT技術設置導覽招牌、培育觀光人才、透過統計分析來評估經濟效益等等,在觀光領域逐漸累積起大學社會實踐的經驗。除了共享日本和台灣的資訊和經驗,一同思考、創造出後疫情時代外來觀光的機會,也至關重要。

はじめに 
大学と地域とが協働し、観光産業の振興に取り組む「地方創生」実践が増えてきている。観光商品開発やIT技術を活用した案内看板の設置、観光人育成事業、統計分析による経済評価など、観光分野における大学の社会実践の蓄積が進んでいる。日本と台湾における情報や経験を共有することに加え、アフターコロナ時代のインバウンド観光を共に考え、創り出していくことが大切である。

本文將以日本高知縣中藝地區申請認定「日本遺產」為例,介紹筆者等人實際親身實踐「地方創生」的案例,如何透過製作地區故事來表達「地區魅力」,「將地區魅力化為語言」。另,本文係根據2021年9月2日舉辦之2021年新實踐暨臺日大地區地方連結與社會實踐國際研討會中所發表之內容進行修潤,供電子報使用。

本稿では、「地方創生」に資することが期待される文化庁事業「日本遺産」認定の事例をとりあげる。著者らも当事者として取り組んだ地域ストーリー作成を通して、「地域の魅力とは何か」、「地域の魅力を言語化する」ために大学がどのように関われる可能性があるのかを考察する。なお、本稿は、2021年9月2日、2021年新實踐暨臺日大學地方連結與社會實踐國際研討會にて発表した内容を、ニュースレター用に一部修正したものである。

1.背景與目的
日本國高知縣在1955年達到人口88萬2,683的高峰後,開始徐緩漸少,2005年人口跌破80萬人,撰寫本文的2020年10月人口來到69萬2,065人(比2015年減少5.0%)1)。根據2020年人口普查的初步統計,高知縣在各都道府縣中人口是倒數第三少,人口減少率在各都道府縣中為第4高,在人口逐漸減少的日本,腳步也遙遙領先。山區鄉鎮的人口減少現象,可說更為嚴峻。本研究的對象地區高知縣中藝地區(奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村),距離高知縣廳所在地高知市往東約50km、開車大約2小時(圖1)。中藝地區人口有9,805人(比2015年減少9.5%),人口減少速度為高知縣平均(比2015年減少5.0%)的2倍之快(表1)。這些鄉鎮因勞動年齡人口(15歲以上、65歲未滿)的減少導致勞動力不足,經濟規模縮小,高齡人口(65歲以上)增加使得醫療、照護費增加,以及區域內生活相關服務縮小和稅收減少,帶來行政服務水準降低的隱憂。倘若關注資源、環境層面,還有農地、森林後繼者不足導致放棄管理等課題。

1.背景と目的
日本国高知県は、1955年の人口88万2,683人をピークに緩やかに人口減少が進み、2005年には人口80万人を切り、2020年10月現在、人口69万2,065人(2015年比マイナス5.0%)となっている1)。2020年国勢調査の速報値を見ると、高知県は都道府県別人口で三番目に少なく、都道府県別人口減少率で4番目に高くなっており、人口減少の進む日本において、その最先端に位置しているといえる。山間部を抱える周辺市町村の人口減少は、更に厳しい状況といえる。本研究の対象地である高知県中芸地域(奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村)は、高知県の県庁所在地である高知市から東へ約50km、自動車で約2時間の距離にある(図1)。人口9,805人(2015年比マイナス9.5%)と県平均(2015年比マイナス5.0%)の2倍の速度で人口減少が進んでいる(表1)。これら市町村では、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)の減少による労働力不足や経済規模の縮小、高齢者人口(65歳以上)の増加による医療費・介護費の増大、さらには域内の生活関連サービスの縮小や税収減による行政サービス水準の低下が危惧されている。また、資源・環境面に着目すると、農地や森林等の担い手不足による管理放棄が課題としてあげられる。

圖:圖1 中藝地區所在地 出處:中藝的香橙與森林鐵道日本遺產協議會網站
圖:図1 中芸地域の位置 出典:中芸のゆずと森林鉄道日本遺産協議会HP
圖:表1
圖:表1

筆者等人接觸到每年約減少2%人口的中藝地區,在過程中意識到地區社會的文化元素「地區記憶」之喪失這個課題,採用生命故事訪談這種社會學手法,開始記錄只會留存在人們「記憶」中的生活實踐經驗。本調查企圖從人們的「講述」揭開「森林鐵道存在的時代」,和由此變化為「森林鐵道消失的時代」的樣貌。在當地「中藝地區森林鐵道遺產保存、活用會」的協助下,我們獲得了一份受訪者清單,這些受訪者都是在中藝地區出生、生活的人。至今我們與居住在中藝地區約70名受訪者進行了面對面的訪談。平均年齡約81歲 2)。

筆者らは、毎年約2%の人口が減少している中芸地域と関わる中で、地域社会の文化的要素である「地域の記憶」の喪失に課題意識を持ち、ライフヒストリー・インタビューという社会学的手法を採用し、人々の「記憶」にのみ留められている生活の実践経験の記録を開始した。本調査は、「森林鉄道があった時代」と、そこから「森林鉄道がなくなった時代」への変化の態様を人々の「語り」から解明しようとするものである。地元「中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会」の協力を得てリスト化したインタビューイーは、いずれも中芸地域で生まれ、暮らしてきた人々である。現在までに中芸地域に居住する約70名に対面インタビューを行っている。平均年齢は約81歳である2)。地域住民の暮らしをライフヒストリー(物語り)として捉えるこの手法は、地域ストーリー(地域の物語り)を作り上げる上で非常に参考になった。

其中本文特別著眼於居民活用地區歷史、文化資源,從事「地方創生」的活動。以下將以2017年度中藝地區向文化廳申請「日本遺產」的活動為例,觀察地區居民透過挖掘地方魅力、將之可視化的過程,給地區社會帶來何種變化,筆者等人試以大學合作參與的「當事人觀點」進行考察。

そのなかでも本稿で着目したいのは、地域の歴史的文化的な資源を活用して、「地方創生」に取り組む住民活動についてである。2017年度、中芸地域から文化庁に申請された「日本遺産」の活動を事例としてとりあげながら、地域住民らが地域の魅力を掘り起こし・可視化するプロセスを通して地域社会にどのような変化をもたらしたのか、筆者らも大学連携で参画する「当事者の視点から」考察してみたい。

2.調查方法
筆者等人自2015年12月起在中藝地區展開生命故事訪談調查,建構起跟地區之間的互信關係。過程中,進入2016年後,當地有志之士發起向文化廳申請「日本遺產」的企畫。作者們以提供學術知識相關經驗的身份參加本企畫,負責製作申請「日本遺產」的核心故事。為了撰寫故事,我們在2016年6月至同年12月期間共舉辦了8次居民工作坊。另外也參加了共4次的文化廳諮商會,持續改良故事。

2.地域ストーリー作成プロセス
筆者らは、2015年12月より、中芸地域でのライフヒストリー・インタビュー調査を開始し、地域との信頼関係を構築してきた。この中で、2016年に入り、地元有志を中心に文化庁「日本遺産」申請の企画が立ち上がった。著者らは学識経験者として本企画に参画し、「日本遺産」申請の核をなすストーリー作成を担当した。2016年6月から同年12月にかけて、計8回ストーリー作成のための住民ワークショップを開催した。また、延べ4回の文化庁相談会に参加し、ストーリーの磨き上げを行った。

如同前述,本稿透過「將地區魅力化為語言」的過程,透過實際參與,觀察地區居民對地區資源的觀點發生何種變化。期待能透過高知縣中藝地區的經驗,與在台灣運用地區資源嘗試「地方創生」的民眾、學者共享資訊。

高知県中芸地域の経験を踏まえ、地域資源を活用した「地方創生」に取り組む台湾の住民や研究者らとの情報共有につなげたい。

3.中藝地區的地區資源及其看法
以下將介紹「日本遺產」申請之前,地區居民如何看待當地的資源。地區上的代表資源,有「魚梁瀨森林鐵道」和「香橙」。申請「日本遺產」之前,這兩者之間並無關聯,各自被視為一種地區的魅力。

3.中芸地域における地域資源とその捉え方
ここでは、「日本遺産」申請以前、地域住民が地域資源をどのように捉えていたのかを紹介しておきたい。地域を代表する地域資源として、「魚梁瀬森林鉄道」と「ゆず」があげられる。「日本遺産」申請以前は、両者は関連することなく、別々に地域の魅力として語られていた。

3.1.魚梁瀨森林鐵道 
中藝地區擁有四國地方少數的杉樹天然生林,例如魚梁瀨杉等優良天然林,是日本代表性的林地之一。

3.1.魚梁瀬森林鉄道(やなせしんりんてつどう)     
中芸地域は四国で数少ないスギ天然生林が分布し、魚梁瀬スギをはじめとする優良な天然林を誇る、日本を代表する林業地である。

魚梁瀨森林鐵道正是象徵魚梁瀨林業興盛繁榮的「物件」(之後認定為文化財)(圖2)。魚梁瀨森林鐵道自1907年在安田川山線鋪設最早的軌道之後,1919年導入謝伊式蒸氣機關車,正式在當地開始由動力運送木材。1942年,包含支線在內鐵道總長度約達250km,完成國內首屈一指的森林鐵道網。森林鐵道除了運送木材之外,也是當地唯一的交通運輸系統,持續協助居民的移動和商品運送等,成為中藝地區生活的命脈 4)。進入昭和30年代後,計劃在上游建設魚梁瀨水庫,1957年決定廢止森林鐵道。隔年1958年撤除奈半利川線軌道,1963年撤除安田川線軌道,同年,魚梁瀨森林鐵道結束其使命,正式廢線。

魚梁瀬林業の隆盛と繁栄を象徴する「モノ」(のちの文化財)が魚梁瀬森林鉄道である(図2)。魚梁瀬森林鉄道は、1907年に安田川山線に最初に軌道が開設されたことを皮切りに、1919年シェイ式蒸気機関車が導入され、当地における動力運材が本格化した。1942年には、支線を含めた総延長が約250kmに達し、国内屈指の森林鉄道網が完成した。森林鉄道は木材の輸送のみならず、地域唯一の交通機関として住民の移動や商品輸送など中芸地域の暮らしを支え続けた4)。昭和30年代に入ると、上流に魚梁瀬ダム建設事業が計画され、1957年に森林鉄道の廃止が決定した。翌1958年には奈半利川線の軌道撤去が始まり、1963年に安田川線の軌道撤去がなされると、同年には魚梁瀬森林鉄道はその使命を終え廃線となった。

圖:圖2 魚梁瀨森林鐵道 出處:寺田正(1991)《寺田正攝影集 林鐵》寺田正攝影集發表會
圖:図2 魚梁瀬森林鉄道 出典:寺田正(1991)『寺田正写真集 林鉄』寺田正写真集刊行会

森林、林業,以及森林鐵道,是講述中藝地區歷史時不可忽略的史實,同時也是當地居民的地區認同之一。特別是森林鐵道,透過「中藝地區森林鐵道遺產保存活用會」和各町村教育委員會的努力,2009年有9件魚梁瀨森林鐵道遺產獲指定為近代化產業遺產群(經濟產業省),同年又有共計18件魚梁瀨森林鐵道施設等獲指定為國家重要文化財。

森林及び林業、そして森林鉄道は中芸地域の歴史を語る上で欠かすことのできない史実であり、と同時に、地域住民の地域アイデンティティーの一つとなっている。とりわけ森林鉄道に関しては、「中芸地区森林鉄道遺産を保存・活用する会」や各町村教育委員会の努力により、2009年に魚梁瀬森林鉄道遺産9件が近代化産業遺産群(経済産業省)、同年には魚梁瀬森林鉄道施設等計18件が国の重要文化財の指定を受けている。

3.2.香橙
日本一般以漢字寫為「柚子」的農作物,並非台灣認知的「柚子」,應是指「香橙」。本文中將「香橙」稱之。

3.2.ゆず(柚子)
はじめに、日本で一般的に「ゆず」と呼ばれる農作物は、台湾における「柚子」ではなく「香橙」を指す。本稿では、ひらがなで「ゆず」と表記することとする。

中藝地區的主要產業為農業,沿海平原發展著縣內頂尖的設施園藝(茄子、青椒)。山邊除了稻作之外,夏天種植秋葵、秋天迎接香橙的收成極盛期(圖3)。當地的栽培面積約200公頃,生產者約1,000人,為日本第一的香橙產地。馬路村、北川村有許多香橙搾汁廠和加工廠,在這裡將搾汁液加工製成各式各樣的香橙製品(飲料、香橙果醋、化妝品、點心等)後出貨,深獲日本全國好評 5)。

中芸地域の基幹産業は農業であり、海岸沿いの平野には県内屈指の施設園芸(ナス、ピーマン)が展開されている。山側には、稲作のほか夏期にはオクラ栽培、秋季にはゆず収穫が最盛期を迎える(図3)。とりわけ、当地域は、栽培面積約200ha、生産者約1,000人を数える日本一のゆず産地である。馬路村、北川村にはゆず搾汁工場と加工工場が立地し、搾汁液を加工した様々なゆず製品(飲料、ゆずポン酢、化粧品、菓子等)が製造・出荷され、全国から好評を得ている5)。

圖:圖3 香橙收成風景 出處:筆者拍攝
圖:図3 ゆずの収穫風景 出典:筆者撮影

2000年後,此地香橙收成量在高知縣的佔比大約在30%左右。高知縣在全國香橙收成量的佔比約有50%,由此推算,中藝地區的全國佔比大約是15%左右。目前也將香橙果汁出口到美、法等國。

高知県におけるゆず収穫量のシェアは、2000年以降およそ30%前後で推移している。全国における高知県ゆず収穫量のシェアがおよそ50%であることを踏まえると、中芸地域の全国シェアはおよそ15%前後だと推察される。現在では、フランスやアメリカなど、海外にもゆず果汁が輸出されている。

4.申請「日本遺產」時之地區故事製作
4.1.何謂文化廳「日本遺產」?
「日本遺產」是指透過地區歷史魅力或特色,講述我國文化傳統的故事,經「日本遺產審查委員會」審查後,由文化廳所認定之遺產。被認定為「日本遺產」後,當地的知名度將會提升,同時也有助於地區居民再次形成認同和地區品牌化,可望促進地方創生。

4.「日本遺産」申請にみる地域ストーリー作成
4.1.文化庁「日本遺産」とは
「日本遺産」とは、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産審査委員会」の審査を経て、文化庁が認定するものである。「日本遺産」に認定されると、当該地域の知名度が高まるとともに、地域住民のアイデンティティの再確認や地域のブランド化に貢献し、ひいては地方創生に資することが期待されている。

能被認定為「日本遺產」的故事需要具備幾個條件:①扎根於歷史脈絡和地方風土,奠基於跨越世代的傳承和風俗,②設定宣揚地區魅力時之明確主題,並以扎根當地受到繼承、保存的文化財為主軸,③並非單純說明地區歷史和文化財價值 6)。

「日本遺産」として認定されるストーリーは、①歴史的経緯や地域の風土に根ざし世代を超えて受け継がれている伝承や風習を踏まえること、②地域の魅力として発信する明確なテーマを設定の上、地域に根ざして継承・保存がされている文化財が据えられていること、③単に地域の歴史や文化財の価値を説明するだけになっていないこと、が条件となる6)。

截至2020 年底,總共認定了104 件(申請總數446件),由此看來獲得認定必不容易。中藝地區的香橙和森林鐵道日本遺產,在2017年度獲得認定。

2020 年度末現在、104 件(応募総数446 件)の認定状況となっており、認定されるのは容易ではない。中芸地域のゆずと森林鉄道日本遺産は、2017年度に認定を受けた。

4.2.透過居民工作坊製作故事的經過
受限於篇幅無法在此詳述,不過我們每個月都會參加文化廳的諮商會,也會在協議會中反覆討論,打造出中藝地區的故事。以下將試著回顧製作故事的過程(圖4)。

4.2.住民ワークショップを通したストーリー作成経緯
紙幅の都合で詳細は割愛するが、毎月、文化庁の相談会に参加し、また協議会での話し合いを繰り返しながら中芸地域のストーリーを練り上げていった。ストーリー作成の経緯を振り返ってみたい(図4)。

圖:圖4 學生參加居民工作坊的狀況 出處:筆者拍攝
圖:図4 学生も参加しての住民ワークショップの様子 出典:筆者撮影

我們在第1次文化廳諮商會中提出的標題是「環與和:魚梁瀨森林鐵道之環狀路線孕育出的樵夫文化和町民文化之調和」。以與森林鐵道共存的故事為核心,這個故事講述因魚梁瀨林業而興盛的上游樵夫文化,和受惠於製材業、海運業而繁榮之下游町民文化,兩者如何因森林鐵道而融合。文化廳認為這個故事的標題並未呈現出「地區的魅力」,也質疑樵夫文化和町民文化與其他地區的差異,還有這是否是個外地人看了會想要來訪的標題。這裡所謂的「地區魅力」,指的是會讓外地人想要造訪,能用五感體驗的事與物。因此我們了解到,思考故事時重要的並非歷史性的說明,而是現在能讓來訪者體驗到什麼。

第1回文化庁相談会に持ち込んだタイトルは、「環と和:魚梁瀬森林鉄道の環状線路が生み出した杣夫の文化と町民文化の調和」である。森林鉄道のあった暮らしをストーリーの核にして、魚梁瀬林業により隆盛を極めた上流の杣夫文化と製材業や海運業により繁栄した下流の町民文化とが森林鉄道により融合したというストーリーである。このストーリーに対して、文化庁からは、タイトルに「地域の魅力」が表現されていない、杣夫文化や町民文化は他地域と何が違うのか、地域外の人が訪れたい思うタイトルになっているか、という指摘を受けた。ここでいう「地域の魅力」とは、地域外の人が訪問したいと思う五感で体験できるモノ・コトを指す。歴史の説明ではなく、今何が体験できるのかがストーリーを考える上で重要になることがわかった。

收到上述指教後,我們在第2次文化廳諮商會上提出了包括「夢幻魚梁瀨森林鐵道環繞的山、海、川生活中 南國土佐待客文化」等等,共九種在協議會上公開募集到的故事。文化廳回覆的意見跟第一次諮商會一樣,認為沒有傳達出「地方魅力」,希望不要用「夢幻」這類抽象的字眼,而能具體描述可以獲得什麼樣的體驗。

上記の指摘を受け、第2 回文化庁相談会には、「まぼろしの魚梁瀬森林鉄道で巡る海・山・川の暮らしにちりばめられた南国土佐のおきゃく文化」ほか協議会で公募した計9本のストーリーを持参した。文化庁からは、第一回相談会での指摘と同様に「地域の魅力」が伝わらない、まぼろしといった抽象的な言葉ではなく、何を体験できるかを記載すること、等の指摘を受けた。

第3次文化廳諮商會上,我們針對上一次文化廳給予好評的「香橙」和「待客」,提出了「款待來客的「待客」文化:環繞魚梁瀨森林鐵道 孕育交流的中藝饗宴之禮俗」。文化廳表示可以充分理解「待客」(包含宴席、饗宴)對地方的重要性。但是這並非地區外的人可以貿然參加的體驗。此外,「待客」是扎根於高知縣的文化風俗,並非僅存在於中藝地區的習慣。在思考故事時,必須要想出與鄰近安藝市或室戶市都不同,中藝地區特有的故事才行。

第3 回文化庁相談会には、前回文化庁の評判が良かった「ゆず」や「おきゃく」を組み込んだ「客人をもてなす「おきゃく」の文化:魚梁瀬森林鉄道を巡る交流が育んだ中芸の饗宴の作法」を持ち込んだ。文化庁からは、「おきゃく」(宴席・饗宴)が地域にとって大切なことは十分理解した。しかし、地域外の人が飛び込みで参加できるものではない。また、「おきゃく」は高知県に根ざした文化・風習であり、中芸地域だけで行われているわけではない。ストーリーを考える上で、隣接する安芸市や室戸市とも違った中芸地域にしかないストーリーの作成が求められた。

現在回想起來,第3次文化廳諮商會點出的問題,可說帶給我們重新考中藝地區魅力的機會。在協議會上,我們決定加進「地區外的視線」,再次思考中藝地區的歷史文化。其結果,我們聚焦於從林業到香橙的產業變遷,以產業變化中人們的生活樣態作為故事的主題。此外,我們也將森林鐵道作為從林業轉變為香橙產業的象徵。製作故事時,我們獲得香橙相關產業的協助,成為一大後盾。我們在第4次文化廳諮商會提出的「從林鐵之鄉到香橙之鄉:日本第一的香橙產地與魚梁瀨森林鐵道遺構交織出的中藝歷史、景觀文化」,來申請「日本遺產」。

今振り返ってみると、第3 回文化庁相談会の指摘は、中芸地域の魅力をもう一度考え直す契機になったと感じている。協議会では、中芸地域の歴史・文化を「地域外の目線」も入れて考え直すことにした。
「地域外の目線」とは、住民が気付いていないモノやコトをよそ者が発見するというだけではない。住民(地域内の目線)は、希少性、愛着、文化財指定など価値付けされたモノやコトを地域の魅力として説明する傾向にある。一方、その地域をよく知らないよそ者(地域外の目線)は、どうしたら地域の魅力を体験できるのかを重視する。そして、「日本遺産」認定に求められるのは、五感で体験できるモノやコトを「地域の魅力」と捉え、それをどのように体験できるかを言語化するのが地域ストーリーであることを理解した。
林業からゆずに移り変わってきた産業変遷に焦点を当て、それぞれの産業を別々に発信するのではなく、産業が変化するなかで営まれてきた人々の暮らしをテーマに据えることにした。そして、林業からゆず産業に変遷した地域でしか体験できないコトやモノを地域の魅力と表現することにしたのである。こうして、かつて森林鉄道によって木材が運ばれたレール跡を、現在はゆずを満載したトラックが走っている地域のあたりまえを再認識し、「森林鉄道から日本一のゆずロードへ」というコンセプトが生まれたのである。ストーリーの作成に当たっては、ゆず関連産業の協力を得ることができたことも、大きな後押しとなった。そして、第4回文化庁相談会に持ち込んだ「りんてつの里からユズの町へ:日本一のユズと魚梁瀬森林鉄道遺構が織り成す中芸の歴史・景観・文化」で、「日本遺産」申請の方向性が固まった。

之後經過幾次協議會的討論,終於獲得協議會的認可,在2017年1月以「從森林鐵道到日本第一的柚子之路 柚香燦然的南國土佐、中藝地區景觀與飲食文化」向文化廳提出申請。申請之後過了3個月,我們在2017年4月28日成為第一個四國單獨獲得「日本遺產」認定的地區。獲得「日本遺產」認定之後的現在,我們陸續以能享受五感體驗的香橙之路為主題,致力於提供能滿足五感的體驗和各式活動 7)。

その後、協議会での磨き上げを行い、協議会の承認を経て、2017年1 月に「森林鉄道から日本一のゆずロードへ:ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化」というタイトルで文化庁へ申請を行った。申請から3 ヶ月がたった2017年4月28日に単独では四国初となる「日本遺産」認定を受けることができた。「日本遺産」認定後の現在、五感で体験できるゆずロードをテーマにして、五感を満たされる体験や仕組み作りに取り組んでいる7)。

5.考察
最後,筆者想在此回顧,透過「日本遺產」的申請過程,感受到何種「地區魅力」,又是如何「將地區魅力化為語言」,來製作出地區故事。

5.考察
最後に、「日本遺産」認定を通して筆者が感じた「地域の魅力とは何か?」、「地域の魅力を言語化する」ための地域ストーリー作成について振り返ってみたい。

「日本遺產」有機會促成地區外的人士來訪、可以五感體驗的事物視為「地區魅力」,而「地區故事」則是以明確的語言介紹可以如何體驗這些事物,而非抽象的話語。此時,必須要明確提出與鄰近地區或者高知縣的差異。

「日本遺産」では、地域外の人が訪問したいと思える五感で体験できるモノやコトを「地域の魅力」と捉え、それを抽象的な言葉ではなく、どのように体験できるのかを言語化したものが「地域ストーリー」である。その際、隣接する地域や高知県との違いを明確に提示する必要がある。

跟居民共同進行工作坊的過程中,我們發現地方上雖有種種資源,但每一項單獨的資源都難以代表整個地區的魅力。例如「森林鐵道具有歷史價值」、「有香橙和鄉土料理」等等,光是這樣雖然稱得上是地區的魅力之一,卻無法成為代表地區整體魅力的明確主題。

住民とのワークショップの過程では、地域には様々な地域資源があるが、そのいずれか単体では地域全体の魅力とはいえない。例えば、「森林鉄道に歴史的価値がある」や「ゆずや郷土料理がある」だけでは、地域の魅力の一つではあるが地域全体の魅力として明確なテーマにはならないということである。

此外,對於外地人或者對這個地區一無所知的人,也需要善加以表現(訴諸言語)讓人有意願造訪當地。還有在思考特定地區範圍的魅力時,必須跟縣或者鄰近鄉鎮做出明確的區隔才行。中藝地區為了與高知縣還有臨近的安藝市、室戶市做出明確區隔,費了一番功夫。我們必須設法表現出中藝地區不同於香橙栽培興盛的安藝市,還有因漁業而繁榮的室戶市的魅力。另外還有一點,在這次的經驗中,我們也學到了不執著於過去歷史文化,要表現出「現在能在地方上體驗到的魅力」有多麼困難。製作故事初期,我們提出了「魚梁瀨森林鐵道很棒」、「香橙產量很多」等說法,但這些都只是對過去的讚美。在過去歷史的基礎上,我們跟居民一起思考,什麼是現在能體驗到的地方魅力,這共同經歷的過程,我想正是地方活化的第一歩。

さらに、地域外の人やその地域を知らない人にとって、地域を訪問したくなるような表現(言語化)の仕方が必要である。また、特定地域の範域の魅力を考えるのであれば、県や近隣市町村との違いを明確にしなければならない。中芸地域では、高知県や隣接する安芸市・室戸市との違いを明確にすることに苦労した。ゆず栽培の盛んな安芸市とも違い、漁業で栄えた室戸市とも違う中芸地域の魅力を表現する必要があった。くわえて、過去の歴史や文化に固執することなく、「今、地域で体験できる魅力」を表現することの難しさを学んだ。ストーリー作成当初のような「魚梁瀬森林鉄道はすごかった」や「ゆずの生産量が多い」という表現では、過去を賛美するだけの説明に終始してしまう。過去の歴史を踏まえ、今、体験できる地域の魅力を考えて形にするプロセスを住民と共に歩むことこそが、地域活性化の第一歩になるだろう。

最後還有一點十分重要,那就是大學生和教師除了具備知識或技術之外,也要自覺到自己具備外來者的觀點,得以幫助發覺「何謂地方魅力?」「如何將地方魅力化為言語」。在跟地方居民的合作上,巧妙地將外來者觀點還原到地區上,製作出深具魅力的地方故事,這也是大學可以為地方做出貢獻的地方。

最後に、大学生や教員は、単に知識や技術を有しているだけではなく、「地域の魅力とは何か?」への気づきや、「地域の魅力を言語化する」ために必要な外部者としての視点を自らが有していることを自覚することが大切である。そして、地域住民との協働において、外部者の視点を上手く地域に還元することで、魅力的な地域ストーリー作成に大学が貢献できると考えている。

引用、參考文獻
1. 高知縣(2021)「2020年國勢調查 高知縣人口統計初值結果」高知縣總務部統計分析課https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/111901/files/2011102700109/file_20214224193514_1.pdf 
2. 赤池慎吾、岩佐光廣(2018)《2017年度中藝之香橙與森林鐵道日本遺產研究報告書》高知大學新世代地區創造中心
3. 關於高知大學的地區貢獻,請參考下列連結(中文)。 〈衝破高教紅海 日本大地區地方蹲點〉『CSR@天下』(2018)https://csr.cw.com.tw/article/40466
4. 以下連結可欣賞魚梁瀨森林鐵道之景。 https://www.youtube.com/watch?v=ZgAbQJV70p0
5. 關於中藝地區的香橙,請參考以下連結(中文)。 https://www.newsmarket.com.tw/blog/150879/?fbclid=IwAR2wNzbTerS9zsJrvXtBfsftJ9xmwa2XIvpxPkIxly-9oQE0SfOY8rWdSqE
6. 文化廳網站「關於日本遺產(Japan Heritage)」https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/nihon_isan/index.html
7. 中藝的香橙與森林鐵道日本遺產協議會網站 http://yuzuroad.jp/index.html

引用・参考文献
1. 高知県(2021)「令和2年国勢調査 高知県の人口速報集計結果」高知県総務部統計分析課https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/111901/files/2011102700109/file_20214224193514_1.pdf 
2. 赤池慎吾・岩佐光広(2018)『平成29年度中芸のゆずと森林鉄道日本遺産研究報告書』高知大学次世代地域創造センター
3. 高知大学の地域貢献については、下記を参照ください(中国語)。
「衝破高教紅海 日本大學地方蹲點」『CSR@天下』(2018)https://csr.cw.com.tw/article/40466
4. 下記より魚梁瀬森林鉄道の映像がご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZgAbQJV70p0
5. 中芸地域のゆずについては、下記をご参照ください(中国語)。
https://www.newsmarket.com.tw/blog/150879/?fbclid=IwAR2wNzbTerS9zsJrvXtBfsftJ9xmwa2XIvpxPkIxly-9oQE0SfOY8rWdSqE
6. 文化庁HP「日本遺産(Japan Heritage)について」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/nihon_isan/index.html
7. 中芸のゆずと森林鉄道日本遺産協議会HP
http://yuzuroad.jp/index.html

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