Taiwan

【書評】二地居:從異鄉人到新住民的島內移民路徑提議

【書評】二地居:異邦人から新住民への島内移民ルートの提案
回顧與評論 ( レビュー&コメント )
學校(学校) | 教育部大學社會責任推動中心(教育部大学社会責任推進センター) 作者(著者) | 黃雅鴻
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閱讀《二地居》這本書,像在讀自己與身邊朋友的故事。

この『二地居(2拠点生活)』という本を読むと、自分自身や周りの友人のことを読んでいるような気がする

1999年到花蓮念碩士,在被盛讚為好山好水的花蓮,常常聽到「花蓮的土會黏人」這句話,心裡常存疑有這種事嗎?因為經過了「好山好水」的蜜月期,更常被掛在口中或「不好說」的則是「好山好水好無聊」。至於身邊有多少外地人被花蓮「黏住」的?坦白說,朋友同學之中,最後定居在花蓮的人並不多。既是來到東華大學就學、任教才開啟與花蓮的緣份,東華大學常是週遭朋友重要的衣食父母;也有人成為了小農、文創人、社運人、社區工作者。至於與花蓮還有連結但無法長期固著的人,如我一般,往返於花蓮與北部之間的雙城記則成為生命的日常。

1999年に修士課程に入るために花蓮に来てみると、自然豊かな花蓮をたたえて「花蓮の地は人をつなぎとめる」という言葉をよく耳にしたが、心の中では常に、そうなのだろうかと疑問に思っていた。なぜなら、「自然の豊かさ」を楽しむ時期が過ぎると、よく口を衝いて出たのは、あるいは「言うことがはばかられた」のは、「豊かな自然は退屈だ」ったからだ。周りにいるよそから来た人の何人が花蓮に「つなぎとめ」られているのだろうか。正直なところ、友人やクラスメートのなかで、最終的に花蓮に居を定めた人はそれほど多くない。花蓮と関わりを持つようになったのは、東華大学で学び、教えるようになってからだ。また、東華大学は常に周囲の友人にとって衣食を与える親のような存在である。人によっては農家や、文化活動や社会活動に参加する人、コミュニティのスタッフになることもある。花蓮との間につながりがあっても、ずっと暮らすことができない人は、私のように、花蓮と台湾北部の2つの街を行き来するのが日常となっている。

多數人在學業結束後,為何沒有選擇留在花蓮?或者換另一個方式問,要增加畢業後留在花蓮的人口,需要有什麼條件?

多くの人は、学業を終えた後、どうして花蓮に残るという選択をしないのか。別な問いかけをするならば、卒業後に花蓮に残る人を増やすには、どのような条件が必要なのか。

「最想在哪好好生活?」《二地居》的官網首頁抛出這個問題。相較於社區總體營造較強調發展固著性高的人地關係而展開組織工作,《二地居》倡議的新生活型態:「二地生活、二地工作」,更有引起臺灣不同世代共鳴的可能。本書第一部引述日本政府如何在超高齡社會的照護難題下,以「零介護離職」政策給予青壯年人口照顧假,希望青壯年人口不需因照顧家鄉的長輩而離開現職。日本民間企業也開始鬆綁週一到週五的工作模式,提供上班族為了盡長輩照護責任而面臨離職抉擇時的支持系統。此外,日本政府或企業在近幾年十分鼓勵員工多元發展第二專長。在上述種種脈絡之下,日本當代社會漸漸給予「二地居」生活方式發展的空間。

「一番住みたい街はどこですか」。『二地居』の公式ウェブサイトはトップページで問いかける。人と場所の関係をより強固なものにすることを重視する一般的なコミュニティの組織的な活動に比べ、『二地居(2拠点生活)』が提唱する「二つの場所に住み、二つの場所で働く」という新しいライフスタイルは、台湾の異なる世代に共鳴する可能性を秘めている。本書の第1部では、日本政府が、超高齢社会における介護という難題があるなか、「介護離職ゼロ」政策によって青壮年層に介護休暇を与え、故郷に暮らす高齢者の介護を理由とした青壮年層の離職をどのように防ごうとしているのかを取り上げている。日本の民間企業でも、高齢者介護のために離職を余儀なくされる労働者を支援するため、月曜から金曜までという勤務形態を緩和する動きが出てきている。また、近年、日本政府や企業では、従業員が第二の専門分野に進出することを奨励している。こうしたさまざまな文脈のもとで、現代の日本社会は、しだいに「二地居(2拠点生活)」というライフスタイルができる状態になりつつある。

日本的新生活模式「二地居」為臺灣帶來何種啟示?首先,作者認為二地居模式作為地方創生的戰術,在臺灣狹小的國土面積是可行的,再就多數人即便對鄉村有依戀,但往往無法立即全然切斷與都會的連結,因此二地居的生活模式也是較為務實的,帶來的效應可進一步開展出不同的可能性。認知到「二地居」生活並非一蹴可幾,作者歸納了移動生活實踐者往往在「關係人口」、「流動在兩地之間」、「二地居」、「移居新故鄉」這四種模式,以線性或迴圈式的路徑發展著。

日本の新しいライフスタイル「2拠点生活」は台湾にどのような示唆を与えるのか。まず、著者は2拠点生活のモデルが地方創生の戦術になると考えている。台湾は国土が狭いため、実現可能であり、多くの人たちがいなかに愛着を持っているということがある。しかし、都市部とのつながりをすぐに完全に断ち切ることはできないため、2拠点生活というライフスタイルは比較的現実的であり、そこから、また違った可能性が広がっていくこともありうる。「2拠点生活」というライフスタイルは決してすぐに実現するものではないということを認識したうえで、著者は、移動生活を行う人々は、「関係人口」、「2地点間を流動」、「2拠点生活」、「新たなふるさとへの移住」という4パターンに集約され、線的に、またはループを描く形で実現していくものとしている。

儘管如此,我認為二地居作為一種同時具備「居間(in-between)」與「二者兼具」性質的生活方式提議,如同「斜槓」或「一人公司」概念的提出,打破了許多既有、單一性的框架,對於許多想要平衡工作與生活的三明治世代,或Guy Standing所提出的「不穩定無產階級(precariat)」而言,無疑指引了一條極具啟發性的路徑。

とはいえ、私が思うに、2拠点生活とは、「2つの間(in-between)」と「2つを兼ね備える」という性質が同居したライフスタイルの提案であり、「スラッシュキャリア」や「一人起業」というコンセプトによって、数多くの既存の、単一的な枠組みを打破するのと同じである。仕事と生活のバランスを取ろうとしているサンドイッチ世代や、ガイ・スタンディングが指摘するところの「不平等社会が生み出す危険な階級(プレカリアート)」にとって、間違いなく非常に示唆的でヒントになる方法である。

事實上,到非都會區短暫生活這件事並非遙不可及的生活實踐。透過到鄉村、漁村、小島的民宿打工換宿,對於渴望壯遊,或有嘗錯條件與生命實驗理想的青年世代,可以民宿小幫手的身份,在短期間實踐既是旅者又是非全然為過客的身份想像,是一個不需付出太多代價,或考慮太多倫理議題的選擇。與此類似的,是許多臺灣年輕世代嚮往的澳洲工作假期(Working Holiday Maker program),這項計畫不僅造就了澳洲鄉村人力需求與青年自我探索夢想的美好相遇,更可以滿足18 歲至30歲的青年實踐跨國流動的身份認同想像。

実際問題として、都市圏以外の地域で短期間生活することは、実現不可能な生活実践ではない。いなかや漁村、小さな島の民宿で働きながら宿と食事を提供してもらいながら、スケールの大きな旅にあこがれたり、あるいは、失敗しながら人生を試したいという理想を抱く若者がいる。この若者たちは、民宿の手伝いをしながら、短期間、旅人でもあり、まったくの旅人でもないという立場を実践することができる。こうした行為は、大きな対価を払うこともなく、また、それほど倫理的な問題を考えなくてよい選択である。これと似ているのは、多くの台湾の若者たちが憧れる、オーストラリアへワーキングホリデーである。これは、豪州のいなかの人手不足という問題と、若者たちの自分探しという夢とを、ちょうどよくマッチさせるものであり、世界を渡り歩きたいという18歳から30歳までの若者たちのアイデンティティーを満たすことにもなる。

在臺灣,到非都會區就學則是另一種嘗試鄉村生活的路徑。透過就讀設在鄉村地區的大學,可經驗臺灣島內的留學生活,若想體驗澎湖、金門、馬祖的小島留學生活也是可能的。在每日生活之中慢慢累積的地方認同感,甚至可能進一步成為參與地方發展的動力,像是花蓮2008年的「反對貿然興建蘇花高」運動,成員即有不少是來到東華大學就學的外地學生,然其身份也引發了本質主義立場鄉親的反對,遭到強烈質疑:外地人有何資格決定花蓮的未來?儘管花蓮自然環境雖優,但東華畢業生確實普遍流向都會區工作與生活,然而在現實上,也經常發生外地人儘管已移居到花蓮工作二、三十年仍被指為「不是花蓮人」。同樣的現象在之後的反193線拓寬、反七星潭開發運動再次上演,這也說明了對於地方發展異質性與多樣性的增進,人口的流動可帶來正面的影響。

台湾では、都市部以外への進学もいなか暮らしを試すひとつの道である。地方の大学に進学することで、台湾の島内で留学生活が体験でき、澎湖、金門、馬祖で学べば小さな島での生活も体験することもできる。日々の生活の中で徐々にローカルアイデンティティをもつようになり、場合によっては地域活性化の活動に参加する原動力になるともある。例えば、2008年、花蓮での「蘇澳~花蓮間の高速道路整備反対運動」では、そのメンバーの多くは東華大学で学ぶ花蓮以外出身の学生だったが、そのことが原理主義的な立場の村民の反発を招き、「外から来た者に花蓮の将来を決める資格があるのか」と強く批判された。花蓮は自然環境に優れているが、東華大学の卒業生は実際には仕事や暮らしのために都会に流れていく。しかし、現実的には、よそから来た人が花蓮に移住して2、30年仕事をしても「花蓮の人ではない」とされることがよくある。同様の現象は、後に起きた193線拡幅反対運動や七星潭開発への反対運動でも生じている。これは、人口移動が地方発展の異質性、多様性にプラスの影響を与えることを物語っている。

上述的打工換宿或鄉村就學族群,在《二地居》的定義都屬於「觀光客以上、居住者未滿」的「關係人口」。作者透過對日本社會的觀察,歸納出日本「關係人口拓展術」的十個策略,其中一項策略——「地域振興協力隊」制度,這幾年在臺灣受到愈來愈多的關注,甚至說欽羡;這是日本總務省從2009年開始推展,為鼓勵年輕世代移居鄉村、隊員任期為三年的人口移居計畫;為了鼓勵隊員在三年結束後定居當地,日本政府更加碼推出創業基金,此外除將目標鎖定在中壯年族群,近日更擴大至在日本的外國人。

上述した、働きながら宿と食事を提供してもらう人たちや、地方へ進学する学生たちは、『2拠点生活』の定義としては、「観光客以上、住民未満」の「関係人口」に位置付けられる。著者は、日本社会に対する観察から、日本における「関係人口開拓術」を10の戦略方策にまとめた。そのうちのひとつの「地域おこし協力隊」制度は、ここ数年、台湾で徐々に関心が広がり、敬意と羨望を集めてさえもいる。これは日本の総務省が2009年に始めたもので、若者たちにいなかへの移住を奨励する、任期3年間の隊員による人口移住計画である。3年間の任期終了後に隊員が定住するのを促進するため、日本政府は起業のため基金を強化している。また、中高年を対象にするほか、近年は日本に住む外国人にも対象を拡大している。

不論是澳洲的工作假期計畫,或是日本的「零介護離職」政策、「地域振興協力隊」制度,都說明了於政策層次建立新工作型態的型塑機制,以及提出拓展關係人口策略的重要性。否則,縱因旅遊、工作、就學等原因,而於個人選擇或個人熱情的層次與鄉村產生了連結,但支持系統不足也仍然不足以創造有效的跨地域流動。

豪州のワーキングホリデーにしても、あるいは、日本の「介護離職ゼロ」政策や「地域おこし協力隊」制度も、政策レベルで新しい働き方の形成に向けたシステムを構築し、関係人口増加の戦略を提示する重要性を示している。そうでなければ、旅行や仕事、就学をきっかけとした個人の選択や熱意のレベルで地域とのつながりができたとしても、サポート体制に不備があれば、人口移動の有効な手立てとするには不十分である。

因此作者在本書第三部提出最核心的問題:「支持系統準備好了?」作者提出的三個解方分別針對地方創生工作者、公部門、企業可能做出的貢獻,除倡議地方創生工作者應彼此形成夥伴關係、公部門應與民間合作強化生活支持的基礎建設,也倡議企業應在產品開發、工作模式,打造更多造就城鄉連結的驅動因子。作者提問,企業能否允許員工彈性選擇工作地點 ?「如果可行,人們就能帶著電腦,彈性移動到自己嚮往的地方,實踐二地居的可能。」當就醫、就學、就業此「三就」能同時滿足,個人的專業與照顧能量又能不受空間的限制,二地居或許是城鄉發展不均可能的解套方式。

このため、著者は本書の第3部で「サポート体制は準備できているか」という核心的な問いを提起している。著者が提示する3つの解決策は、地方創生の当事者、公的部門、企業がそれぞれ果たしうる貢献である。地方創生の当事者同士がパートナーの関係を構築し、公的部門は民間セクターと連携して生活支援の基盤を構築すべきであり、また、企業も商品開発や働き方において都市といなかの結びつきを強めるエレメントをより多く用意すべきだと提言する。著者は、企業は従業員に職場を柔軟に選択させることができるか、と問いかけている。「もし可能ならば、パソコンを携え、住みたい場所に柔軟に移動でき、2拠点生活も可能となる」。医療、教育、雇用の「3点」をすべて満たすことができ、個人の専門性と介護への労力が場所による制約を受けないなら、2拠点生活は都市と地方の発展の不均衡を解決する方策になるかもしれない。

「二地居」出版近一年多來,引發許多討論與行動,像是「邸Tai Dang-創生基地」於這本書出版不久後,隨即與其他地方創生夥伴合作舉辦「宜駐花東」計畫說明會,召募希望與宜花東產生進一步關係的人,透過5天地方創生事業的「工作體驗」試駐,探索移居宜花東的可能,可說是民間自行發動的地域振興計畫。此外早在2020年初即由民間地方創生團隊自行發起的「臺灣地域振興聯盟」,其做法即書中提及面臨地方創生支持系統不足時,地方創生團隊可提供的貢獻;該聯盟目前持續整合公部門與企業社會責任的資源,為地方創生打造更穩固的基礎建設,引發的效應相當令人期待。

『二地居』の出版から1年余りが経ち、数多くの議論や行動がなされている。「邸Tai Dang-創生基地」は本書の出版からほどなくして、地方創生に取り組むほかのパートナーと合同で「宜駐花東」プロジェクトの説明会を開き、宜蘭、花蓮、台東との間で一歩踏み込んだ関係を築くことを希望する人を募集した。5日間にわたる地方創生事業「就業体験」の試験的な滞在を通じて、宜蘭、花蓮、台東に移住する可能性を探るもので、いわば、民間セクターが自主的に実施した地域おこしプロジェクトである。このほか、2020年始めに民間の地方創生チームが自主的に発足させた「台湾地域おこし連盟」は、本書が、地方創生のサポート体制が不十分な状況において地方創生チームが提供可能な貢献について言及した手法を取り入れている。つまり、この連盟は目下、公共セクターと企業が持つ社会的な責任を果たすためのリソースを統合するために持続的に取り組んでおり、地方創生の基盤整備を行っているものとして、効果には強い期待が寄せられている。

這本書除了是作者之一「林事務所」執行長林承毅累積多年經驗的作品,更重要的指標性意義,則是這本書出版於地方創生政策推動的第二年,是國家發展委員會與遠見天下文化事業群所合作出版的。引發的漣漪溢出文本本身,反映了新生活模式的提出使地方創生更具可親性。期待透過政策的推展,臺灣城鄉未來在資源流動方向、經濟模式、生活方式選擇、政治選擇的面貌,能逐漸走出不同於傳統的路。

本書は、著者のひとりである「林事務所」代表の林承毅が長年の経験をまとめたものに加え、重要な指標としての意義をも持っている。それは、本書が地方創生政策開始2年目に出版され、国家発展委員会と遠見天下文化事業グループが共同で出版したという点である。それが引き起こしたさざ波がテキストそのものにも波及し、新たな生活様式を反映させた提案は、地方創生をより身近なものにしている。政策展開を通じ、台湾の都市部といなかの間で、リソースの流れる方向性、経済モデル、ライフスタイルの選択、政治選択の面で、従来とは異なる道へと徐々に歩んでいくことが期待される。

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