農田即是學習場域:南投學習型城市推動經驗
壹、前言
南投位處臺灣中心,是全臺灣唯一不臨海的縣市。境內群山環繞,計有39座百岳,整體氣候宜人、自然生態環境豐沛,並蘊含生物多樣性。另因處臺灣東西區域交界之處,長年以來吸引許多族群遷徙至此定居生活,如閩南人、客家族群、平埔族群、高山原住民族群等,是日本人類學權威鳥居龍藏(とりい りゅうぞう)心目中的「人類學研究寶庫」。
一、はじめに
台湾の中心部に位置する南投県は、台湾で唯一海に接していない県である。山々に囲まれた県内は、台湾百岳に名を連ねる山岳が合計39あり、生態系豊かな自然環境が多様な生き物を育んでいる。また、台湾の東西地域の境に位置するため、閩南人、客家人、平埔族、高山原住民など、様々な民族が長年の間に移り住み、日本の人類学の権威である鳥居龍蔵に「人類学研究の宝庫」と言わしめた場所でもある。
雖然南投擁有上述自然與人文資源,但因整體國家發展政策的資源配置不均,且主要產業皆以一級農業與三級觀光業為主,致使近20年來人口呈現逐漸流失,在高齡化與少子女化的人口結構下,許多公共基礎服務皆面臨服務提供的治理危機,其中學習資源相較於都會地區,更呈現出相對匱乏的感受。具體而言,雖然南投縣境內的終身學習機構有:社區大學3所、長青學苑(老人大學)1所、婦女大學1所、原住民部落大學1所、樂齡學習中心13所、新住民學習中心1所、社區多功能學習中心1所、環境教育設施場所11所、國立圖書館1所、縣市立圖書館2所、鄉鎮市立公共圖書館13所、私立圖書館1所、研究發展中心1間、演藝廳1間、博物館與地方文化館18間、文化園區4座。
南投には前述のような自然と人文資源があるものの、国全体の発展政策における資源配分の不均衡と、1次産業の農業と3次産業の観光業が主要産業であることが原因で、この20年近くにわたって人口が減少しつつある。高齢化と少子化の人口構造の下で、多くの基礎的公共サービスの提供が危ぶまれるという危機に直面しており、特に学習リソースに関しては、都会地域に比べると乏しさが際立つ。南投県下の生涯学習機構を具体的にみると、社区大学が3箇所、長青学苑(老人大学)が1箇所、婦人大学が1箇所、原住民部落大学が1箇所、シニア学習センターが13箇所、新住民学習センターが1箇所、地域多機能学習センターが1箇所、環境教育施設が11箇所、国立図書館が1箇所、県市立図書館が2箇所、郷鎮市立公共図書館が13箇所、私立図書館が1箇所、研究発展センターが1箇所、公演ホールが1箇所、博物館と地方文化館が18箇所、文化園区が4箇所となっている。
礙於境內幅緣廣闊,且多為鄉村與山林地區,另因整體財政資源不足,嚴重缺少大型教科文展示表演空間,影響學生文化資本之吸收與擁有。以大埔里水沙連區域為例,必須前往60公里外的台中市才能接觸國家級的劇院、圖書資訊中心、美術館、科博館等。最終導致家庭社經背景原本就較城市低的區域,無法較為便利地獲取藝文活動養分以提升文化資本。面對學習資源匱乏課題,國立暨南國際大學人文創新與社會實踐研究中心(以下簡稱暨大人社中心)自2015年起,與南投縣政府教育處社會教育科(以下簡稱:南投縣政府社教科)共同合作南投縣學習型城市計畫的規劃與執行,期盼彰顯暨大扮演地方政府行動政策智庫,共同探索學習型城鄉的創新作法。
県内は面積が広大な上に、農村と山林地帯が多く、さらに全体の財政資源不足から、教育・科学・文化の大規模な展示上演空間の欠如が深刻で、児童・生徒の文化資本の吸収と所有に影響を及ぼしている。埔里広域圏の水沙連地域を例にとると、国家級劇場、図書情報センター、美術館、科学博物館などに接するには、60キロメートル先の台中市まで足を運ばなければならないことから、家庭の社会経済的背景がもともと都会より低いこれらの地域では、芸術文化活動を糧に文化資本を高めることがそれほど容易でなくなる。こうした学習リソース不足の課題に対し、国立曁南国際大学人文イノベーション・社会実践研究センター(以下略して「曁南大学人社センター」)では2015年より、南投県政府教育処社会教育科(以下略して「南投県政府社教科」)との協力で南投県学習型都市計画の企画と実行に取り組んでおり、自治体政府の政策シンクタンクとしての曁南大学の役割を果たすことで、学習型都市の革新的な推進方法を共同で模索していくことを目指す。
貳、南投縣的學習型城市的推動目標與策略
一、推動目標
參酌聯合國學習型城市推動架構以及南投縣現有終身學習環境與課題,暨大人社中心與南投縣政府教育處共同籌組執行推動小組,商議研擬「打造綠活城鎮」的發展目標,以在地自然人文環境資產做為基礎,透過公民參與的學習方案設計,打造處處可以學習的無邊界終身學習環境,一方面回應南投縣現代化終身學習資源不足的刻板印象,另一方面發展出符合鄉村地區特性的終身學習模式。
二、南投県における学習型都市の推進目標と戦略
1.推進目標
曁南大学人社センターと南投県政府社教科は、国連の学習型都市推進の枠組みと南投県既存の生涯学習環境と課題を参考に、実行推進グループを共同で発足し、「グリーンライフ都市の構築」という発展目標を協議設定した。地元の自然・人文環境資産を土台に、住民参加型の学習プラン設計を通して、随所で学習できるボーダーレスの生涯学習環境を構築し、南投県の現代的生涯学習リソースの不足という従来の印象を払拭する一方で、農村地域の特性に合った生涯学習モデルの発展を目指す。
二、推動策略:陪伴與培力的社群協力模式
南投縣計畫執行過程透過「陪伴(accompany )與培力(Empowerment)的社群協力模式」,將終身學習理念與不同的行動者進行交流,並且導入不同的空間場域,優先針對「食農教育、技藝傳承、陸域生態保育」等議題,發展具備「代間學習、百工職人體驗」功能的學習場域,藉以補足本縣幅員遼闊、終身學習場域親近性不足的問題。
2.推進戦略:寄り添いとエンパワーメントによるコミュニティ連携モデル
南投県では計画実行過程において、「寄り添い(accompany)とエンパワーメント(empowerment)によるコミュニティ連携モデル」を通して、様々な行為者と生涯学習の理念について交流を行った。それと平行して、各種空間と場を導入し、「食農教育、技術伝承、陸上生態系保育」などの課題に関し、優先的に「世代間学習、各種職人体験」の機能を備えた学習の場を展開することで、本県の面積の広さや、生涯学習の場への親近感の欠如といった問題に対応している。
南投縣學習型城鄉發展的推動,從2016年計畫初期3個鄉鎮13個公共社團的參與,截至2022年業已擴大至8個鄉鎮地區,共計陪伴34個地方型公共組織參與,參與組織類型含括:國中小、社區大學、新創產業、非營利組織等。陪伴期間,透過社群共學活動設計,協助各地方型公共組織推動:1、重新檢視自我的組織發展目標與綠活城鎮發展的關連性,釐清各組織參與此計畫的定位與功能;2、運用場域觀摩與經驗分享,協助各組織進行組織運作的知能成長;3、串連區域內的各個組織,發展區域型的學習網絡,藉以豐富地方學習資源。企盼培力各地方型組織都具備學習型組織文化的DNA。令人欣慰的是,在打造無邊界的學習環境項目中,確實累積出許多不錯的成果,以下將選擇「田間即為教室」的案例進行分享。
南投県の学習型都市発展の取り組みは、3つの郷鎮と13の公共団体が参加した2016年の計画初期から、2022年には8つの郷鎮地域に範囲が拡大し、合計34の地方公共組織の参加に寄り添ってきた。参加組織の類型としては、小中学校、社区大学、ベンチャー産業、非営利組織など挙げられる。各地方公共組織に寄り添う間は、共同学習コミュニティの活動設計を通して、(1)組織の発展目標とグリーンライフ都市発展の関連性の見直し、(2)施設見学と経験共有による各組織の運営知識向上支援、(3)地域内の各組織の連携と、地域型学習ネットワークの展開による地域学習リソースの充実化、以上の3点をサポートし、どの地方組織にも学習型組織文化のDNAが形成されることを期待した。その結果、大変喜ばしいことに、ボーダーレスの学習環境の構築に関して、優れた成果を多数収めることができた。以下では、「田畑が教室」の事例について紹介する。
參、田間即為教室!
南投縣境內擁有許多天然的環境資源,只是這些資源受限整體發展潛力,往往被人們所漠視。隨著時代的變遷,當前臺灣「十二年國民基本教育課程綱要總綱」中,「體驗式教學」重新受到重視。值此在體驗教育學習模式中,原本被忽略的田野現場,重新回到學習的架構中。是以,暨大人社中心與南投縣政府社教科廣邀國民中小學發展各類以地方資產作為學習場域的無邊界學習模式。其中位處於草屯的北投國小、竹山的大鞍國小、信義的桐林國小即為成功案例。
三、田畑が教室に
南投県内は豊かな自然環境資源に恵まれているものの、全体の発展ポテンシャルに制約され、これらの資源は軽視されがちであった。時代が移り変わり、現在台湾の「十二年国民基本教育課程綱要総綱」では「体験型授業」が改めて重要視されるようになり、体験型教育の学習モデルの中で、本来ないがしろにされていたフィールドワークが、再び学習の枠組みに組み込まれるようになった。そこで、曁南大学人社センターと南投県政府社教科では、地方の資産を学習の場とする各種ボーダーレス学習モデルの展開を、各小中学校に広く呼びかけた。その中でも、草屯鎮の北投小学校、竹山鎮の大鞍小学校、信義郷の桐林小学校の取り組みが成功事例として挙げられる。
一、稻田就是我的教室
南投整體稻米產量豐富,草屯北投地區是其中極富重要性的優質稻米產區。面對區域產業發展特性,位處於南投縣草屯鎮北投地區的北投國小,為了讓學生能進一步認識家鄉產業,遂與農民合作承租一塊農田,在學校教師管理下,規劃各類田間體驗的學習活動,如彩繪稻田、農事體驗(插秧、收割、曬穀、脫穗、碾米)、料理製作(食農繪本米食製作、創意炒粿、飯糰與米潤餅)、農廢創意設計(彩稻造紙創作)等,希望同學能夠從體驗式學習中不僅獲得食農教育的知識,也能對於自己家鄉的產業有更多的認識。2021年,北投國小更參與「鹿港北投擔埔社」的社區活動,與社區組織共同企劃讓同學認識草屯北投開拓史與米食文化。
1.田んぼがわたしの教室
南投県は全体の米の生産量が豊富で、特に草屯鎮の北投地区は、上質な米の産地として極めて重要である。こうした地域特有の産業発展を受け、南投県草屯鎮北投地区の北投小学校では、ふるさとの産業について児童に理解を深めてもらおうと、農民との協力で農地を借り、教師の管理の下で、各種田園体験に関する学習活動を企画した。田んぼアート、農作業体験(田植え、収穫、乾燥、脱穀、精米)、料理作り(食農絵本の米料理の再現、創作ライスヌードル炒め、おにぎりと生春巻き)、農業廃棄物を利用したデザイン創作(カラー稲を使った製紙)など、体験型学習を通して食農教育の知識を手に入れると同時に、ふるさとの産業についても理解を深められることを目指して活動を行った。2021年には、草屯北投の開拓史と米文化を児童に知ってもらうために、地域組織と共同企画の「鹿港北投擔埔社」という地域イベントにも参加した。
二、在農田實作中學習
信義鄉同富村桐林社區以生產高冷蔬菜聞名全國,為讓全校師生更瞭解高冷蔬菜產區的耕作內容,桐林國小在108課綱校訂課程中結合當地農民,共同企劃食農教育學習內容,讓師生在實際的種植蔬果中進行勞動體驗與農場經營的知識學習。同時,在體驗學習中也導入無毒農業的知識素養,引導同學藉由蔬果纪錄寫作探討農作物的生長過程、廚餘有機肥之製作及認識無摒農業對土地丶環境與健康的影攀。整體而言,藉由食農教育體驗過程,讓學生從「做中學」,把書本上的知識轉化為活生生的實作課程,更讓孩子們從中學習、體驗親自動手栽種、孕育植物的樂趣外,瞭解佳餚的生長過程。
2.農地での実地学習
信義郷同富村の桐林地域は、全国に知られる高冷地野菜の産地である。桐林小学校は全校児童と教師に高冷地野菜産地の仕事内容を知ってもらうため、2019年版学習指導要領の自主編成カリキュラムの中で、地元の農民と連携し、実際に野菜・果物栽培を行う作業体験や、農場経営の知識について学ぶ食農教育学習を共同で企画した。体験学習では、安全無害な農業に関する知識も盛り込み、野菜・果物の記録をつけることで農作物の成長過程にふれ、生ごみを使った有機堆肥作りや、安全無害な農業が土地・環境・健康に与える影響などについて学んだ。全体を通して、「作業しながら学ぶ」という食農教育体験により、本の中の知識を生きた実習に変えることで、子どもたちは自分の手を動かして植物を栽培する楽しさを学び、体験し、おいしい農作物の成長過程について知ることができた
三、茶園與竹林教會我的事
位處於南投縣竹山鎮偏遠山區的大鞍國小,因學區周遭多為竹筍園與茶園,為使學生認識家鄉產業文化,培養愛鄉情懷,在學校的課程內容設計上,結合社區資源發展「茶道」與「竹文化」的課程。前者「茶道」課程,讓學生學習茶葉知識、泡茶技能及奉茶禮儀,並能在生活中體現服務學習,培養優雅氣質,陶冶高尚品格。後者「竹文化」課程,則在社區居民的筍園代管支持下,成立教學竹林區,讓孩子學習整理竹林、挖孟宗筍、學竹編,製作竹花燈等技藝,藉由賞竹、知竹、食竹、編竹等課程,明瞭竹的意涵:「竹葉長青、竹莖空心彎而不折、竹身有節、實用價值」,涵育學子具備「恆心毅力、謙虛有禮、挫折容忍、高尚節操、優秀人才」!再者,配合社區長輩學習太鼓的基礎,大鞍國小導入太鼓的學習,與社區長輩共同參與節慶演奏,發展青銀共學學習模式。
3.茶園と竹林が教えてくれたこと
南投県竹山鎮の人里離れた山間部に位置する大鞍小学校は、学区周辺のほとんどが竹の子園と茶園である。児童にふるさとの産業文化について知ってもらうことで、郷土愛を育もうと、同校は地域資源をカリキュラム設計に取り入れ、「茶道」と「竹文化」の授業を展開している。前者の「茶道」の授業では、茶葉の知識、お茶をいれる技術、お茶のもてなしのマナーを学ぶことで、サービスラーニングを生活に体現し、優雅な気品と優れた人柄の醸成を目指す。後者の「竹文化」の授業では、竹の子園の管理を代行する地域住民の支援のもと、実習竹の子園を立ち上げ、竹林の手入れ、孟宗竹の竹の子採り、竹編み、竹ランタン作りなどを学んでいる。竹を楽しむ・知る・食べる・編むなどの授業を通して、「葉が常緑で、茎は中空で曲がるが折れず、節があり、実用性が高い」という竹の特性が象徴する意味を知り、「根気があり、謙虚で礼儀正しく、挫折にも強い高い道徳を備えた優秀な人材」の育成を目指している。他にも、地域の高齢者に太鼓の基礎を学ぶ授業も導入し、高齢者と共に祝賀行事で演奏を行うことで、世代間学習の学習モデルを展開している。
肆、結論
傳統被視為沒落產業的一級產業,隨著當代全球氣候變遷、食農教育、地方創生等議題的發展,開始重新回到教育現場備受關注。境內擁有豐富一級產業地景的南投,各個國中小如何將地方產業地景轉化為學習的教室,打造一個無邊界的體驗式學習環境,相較於都會地區的學校,教學與學習資源相對豐厚,值得深耕與推廣。展望未來,暨大人社中心與南投縣政府教育處,將持續以這些實作的經驗作為基底,發展以社區資源做為基礎的無邊界學習模式,持續推廣至南投縣各個教育現場。企盼豐富整個南投縣的學習資源,同時作為城鄉學生交流學習的共學互惠場域,建構起一個處處都是學習場域的理想境界!
四、結論
従来衰退産業と見なされてきた一次産業は、地球の気候変動、食農教育、地方創生などの課題が進展する中で、改めて教育現場に戻り、注目を集めている。一次産業が盛んな南投県では、各小中学校が地方産業を学びの教室に変えることで、ボーダーレスの体験型学習環境の構築に取り組んでおり、特に都会地区の学校に比べると、こうした教育・学習リソースが豊富なことから、定着化と推進を図る価値があると言える。今後も曁南大学人社センターと南投県政府教育処は、引き続きこれらの実習経験を踏まえ、地域資源を土台とするボーダーレス学習モデルを南投県の各教育現場まで推進していく。南投県全体の学習リソースを充実化させると同時に、都市と農村の児童・生徒がお互いに交流・学習できる互恵の場として、至る所が学びの場となる理想の境地の構築を目指す。
參考資料
南投縣政府教育處(2021)。110年南投縣學習型城市計畫結案報告。南投縣:南投縣政府教育處。
南投縣政府教育處(2022)。111年南投縣學習型城市計畫提案計畫書。南投縣:南投縣政府教育處。
張力亞(2019)。臺灣學習型城市的實踐經驗與省思:以南投縣為例。發展與前瞻學報,23,47-72。
参考文献
南投県政府教育処(2021)「2021年南投県学習型都市計画成果報告書」南投県:南投県政府教育処
南投県政府教育処(2022)「2022年南投県学習型都市計画提案計画書」南投県:南投県政府教育処
張力亞(2019)「台湾学習型都市の実践経験と反省:南投県の事例から」『発展与前瞻学報』23、47-72